2022.12.06 / トピックス
ネットワークや無線LANの重要性が増す中で、機器や機能などのカタログスペックが注目されがちですが、導入後に快適に利用するためにはその導入作業、つまり「作業品質」が重要なポイントの一つになります。
そして導入後の検証や「トラブルシュート」もポイントです。どこかでネットワークが遅延したり、繋がらなくなったりすれば、ビジネスの継続性にも影響が出かねません。
この「作業品質」と「トラブルシュート」を支えるのが、「測定」です。
電波や電力など目には見えない、また設置場所や方法によりカタログスペック通りの性能が出るとは限らない、ネットワーク/無線LAN環境を正確に測定することが、作業の正確性に繋がり、快適さや迅速なトラブルシュートを実現します。
ネットワークインテグレーターであるコムネットシステムが「現場の味方」と呼んでいるものがあります。NetAlly(ネットアレイ)社のネットワークテスター「EtherScope nXGシリーズ」です。
今回はコムネットシステムのネットワーク/無線LAN設置工事の品質を支えているNetAlly社のネットワークテスターについてのインタビューとコムネットシステムの作業品質向上に向けた取り組みについてご紹介します。
NetAlly
HNT事業部
Channel Account Manager
杵鞭 俊之氏
NetAlly社は、Fluke Networks Inc.のビジネスユニットから生まれた米国企業です。約30年にわたりポータブルネットワークテストのスタンダードとして、現場の技術スタッフによるネットワークの接続確認作業を支えています。
「ネットワークの重要性が増している中で、特別なスキルを必要とせず、ネットワークテストができるようにするにはどうすれば良いかを考えたテスターを提供しています。
テスターの細かいところが分からなくても、現場ですぐにネットワークの診断ができます」と話すのは、NetAlly HNT事業部 Channel Account Managerの杵鞭 俊之氏です。
EtherScope nXGシリーズは特別なスキルがなくても接続確認ができるよう考えられたハンドヘルドテスターです。とは言っても、簡単なテストしかできないわけではありません。
まずEtherScope nXGシリーズを持って測定したい場所、フロアを歩き、データを収集します。 このときEtherScope nXGシリーズは、Wi-Fiを利用しているデバイスの検出、電波カバレッジの確認、信号強度、ノイズ、SNR(信号対雑音比)、利用率など、さまざまな情報を取得して、品質を確認します。
テストは自動化されていて、問題が無ければテストは終了です。
問題やなにか気にかかる部分があれば、EtherScope nXGシリーズの画面から該当の項目をドリルダウンして細かい情報を見ることもできますし、
収集したデータをクラウドサービスである「Link-Live」にアップロードすることで、本社にいるSEなどと情報を共有することもできます。
これにより一度会社に戻って対応を検討するのではなく、インターネットを経由してチームで検討することもでき(コラボレーション)、迅速に接続確認ができます。
EtherScope nXGシリーズは、有線とWi-Fiネットワークの検出、マッピング、分析などを行うハンドヘルドネットワークアナライザーです。 Wi-Fi6/6Eに対応しており、2.4GHz、5GHzに加え、6GHz帯で動作するすべてのWi-Fiデバイスを可視化します。また有線は10G/マルチギガに対応しています。
EtherScope nXGシリーズは、Wi-Fi通信で重要な複数の条件から判定し、その環境における指標を確認後、自動的に合否判定を行います。
あらかじめフロアマップを取り込んでおけば、ヒートマップを生成することもできますし、トポロジーマップなども生成可能です。 Link-Live(クラウドツール)を利用すればテスト結果、レポート、分析データを共有し、チームでの作業効率を向上できます。
「ヒートマップのほかに接続情報なども見ることができます。 現場にノートPCを持って行って見ても良いし、離れたところにいるエンジニアとコラボレーションして検証することも可能です」と杵鞭氏。
このときに「その場にあるべきではないもの」も見ることができます。 例えば、更新前のアクセスポイントがそのままで動いているなど、電波干渉を引き起こす原因を発見し、それを取り除くことも可能になります。
無線LANの電波は目に見えません。また有線ネットワークの機器やケーブルもEPS室や天井、床下などに貼り巡らされており、確認や検証が非常に困難です。 EtherScope nXGシリーズはそうした目には見えない、見えにくいものもテスト・検証し、不具合の原因を探り当てます。
マルチギガや10G環境では、既存ケーブルの利用や勝手に追加されたケーブルなどが混在し、運用環境におけるスピード確認は容易ではありません。
そこでEtherScope nXGシリーズを利用すれば、リンク状態やリンクスピード、ノイズの影響、遅延の確認などが可能です。
「マルチギガビットに関しては品質、長さ、インストールの仕上がりも重要な要素です。
束ねているケーブル同士で干渉がある場合、通信品質に影響が出てパフォーマンスが出なくなることもあります。」(杵鞭氏)
Wi-Fi6対応機器は、30Wクラスの電力を要するアクセスポイントが多くなっています。不安定な場合、PoEの電力確認も必要です。
EtherScope nXGシリーズを利用すればPoE電力も容易に確認できます。
「Wi-Fi6の場合、電力に加え、有線側の通信でも十分な速さが必要です。これも確認する必要があるでしょう」(杵鞭氏)
移動しながらWi-Fiを利用する際に、スムーズにローミングが行われるかは重要です。EtherScope nXGシリーズでアクティブサーベイを行って確認することができます。
コムネットシステムでは、Wi-Fi設置時の事前サーベイや運用中ネットワークのトラブルシュートなどさまざまな場面でEtherScope nXGシリーズを利用しています。
またコムネットシステムではLink-Live(クラウドツール)を利用したテスト結果のレポート、分析データをお客様にもご提示しております。 今までは目に見えなかった電波状況や接続状況が可視化されることにより、
「フロアマップにテスト結果が反映されていてイメージが付きやすい」
「テスト結果と可視化によって施工後のWi-Fi環境の変化が分かりやすかった」
「今までは分からなかった接続障害の原因が分かり改善策を立てることが出来た」
などといった、テスト結果を元に施工後のWi-Fi環境の確認や お客様のネットワーク環境の改善にお役立ていただいております。
「ネットワークはさまざまな原因で速度が低下したり、接続できなかったりします。原因が機器なのか、ケーブルなのか、設定なのか、使い方なのか、
といった複雑な要因を一つひとつ紐解くことでネットワークの快適な利用を支援します」と杵鞭氏。
NetAlly では11月初旬に EtherScope nXG から有線テスト機能を除き Wi-Fi に特化した Wi-Fi6/6E 対応の 「AirCheck G3」 を発売したとの事です。
昨今はネットワークにとってまさに過渡期と言える時期です。1Gネットワークは当たり前となり、2.5G、5G、10Gとこれからを見据えたネットワークが求められるようになっています。 無線LANもWi-Fi6/6Eの登場により、求められる電力やバックホールが大きく変化しています。
「想定通りに速度が出ない、接続できないという問題が発生したときに、正しく第三者目線で評価してくれる計測器は非常に重要です。 EtherScope nXGシリーズは私たち現場で作業するインテグレーターにとって“現場の味方”と言える製品です」とコムネットシステムのシステムエンジニアは話しています。
コムネットシステムでは、マルチギガ、Wi-Fi6/6Eに対応したEtherScope nXGシリーズでネットワークを正確に測定・分析し、お客様の快適なネットワーク利用をサポートしていきます。
今回ご紹介した製品・サービスの詳細は、下記からご覧ください。
製品に関してやお見積りのご相談など、お気軽にフォームからご連絡ください。
以上