2024.01.29 / トピックス
高速化が進むインターネット回線ですが、最近では最大通信速度10Gbpsを謳う、いわゆる「10G回線」が様々なキャリアから登場し、気になっている方も多いのではないでしょうか?もはやビジネスでも欠かせないインターネット回線は、速ければ速いほどよい……と考えたくなりますが、実際どうなのでしょうか?
実は「10G回線さえ導入すればすぐに高速!」というわけにはいきません。
そこで今回は、弊社エンジニアが、10G回線の必要性やおすすめの活用方法など、どのように10G回線と向き合うべきなのか具体的に解説していきます。
株式会社コムネットシステム
テクニカルサービス事業部 部長
白柳 翔大
白柳 最近、業種を問わずにお客様から「うちも10G化できるのか?」と質問をいただくことが増えました。少し前までは10G回線の話題が出るのは、動画配信をしているなど大容量データを扱う企業だけでしたから、状況が変わりつつあるのを感じます。これまでは「インターネットにつながればよい」と考えられていたのが、つながることは大前提として、「どれくらい速いか」という速度に対する意識が一般化してきたのではないでしょうか。
白柳 10G回線は一般的な回線と比べてコストが大きくあがることもあり、どんどん導入されているといったことはありません。また、コスト以外にも考慮すべきことが多く、回線さえ入れ替えれば、いきなりすごく速くなるとはいかないのです。
白柳 キャリアが提供している10G回線は、あくまでもオフィスから外のインターネットに接続するための回線です。オフィスに引き込んだ先……つまり、スイッチやハブ、Wi-Fiのアクセスポイントなど、オフィス内の機器が対応していなければ、10G回線を活かすだけの速度は出ません。インターネットにアクセスするときは、セキュリティアプライアンスやゲートウェイ機のスペック向上が必要になります。
検証結果はこちらをご覧ください。
また、現状で一般的に利用されているPCはネットワークインターフェースも1Gbpsベースとなっているため、そこもネックとなります。あとは、機器間をつなぐLANケーブルも「Cat6」という規格が主流で、これらも基本的には10G回線に対応する「Cat6A」という規格のものに切り替える必要があります。もちろん、Cat5eやCat6でも技術的に対応することはできます。従って、10G回線を導入するには、事前に今使用しているネットワーク機器が10G回線に対応するものなのかという確認が重要になります。
白柳 そうですね。特にPCについては、先日回線速度の検証をした際、ネットワークインターフェースだけでなく、メモリなどのスペックも速度に影響することが分かりました。メモリが8GB/16GB/32GBの機種でそれぞれ速度が変わり、さらにOSによっても変わりました。 10Gbpsの速度になると、PC側の処理性能も影響するということですね。
白柳
こればかりは「企業ごとの状況による」としか言えません。例えば、「もともとある程度の速度が出ている」「用途はOfficeファイルのメール送付や、一般的なWeb閲覧」といったケースでは、社内の機器すべてを10G対応に切り替えたとしても、体感的にはあまり変わらないかもしれません。
逆に、「動画データを頻繁に転送する」「オフィスからWeb会議をする機会が多い」など、高い負荷のかかる通信を日常的に使用し、かつインターネット回線部分がボトルネックになっている場合などは、すべて切り替えるのではなく、回線とスイッチだけ入れ替えるだけで状況が改善することもあるでしょう。
まずは自社の状況と、課題や目的を把握することが重要だと思います。
回線に関する見解はこちらからもご確認いただけます。
白柳 現状、多く利用されているのはサーバ間のレプリケーションでしょう。同一拠点にあるオンプレミスのサーバ同士を10Gでつなぎたい、という話もよく聞きます。オフィス全体を10G化するとなるとかなりの投資が必要になりますが、サーバ間などに限定して10G対応のケーブルや機器を導入するというのは十分有効です。サーバ同士の通信を高速化できますし、もちろん将来的に10G回線を入れたときにも活きてきます。
また今後は、BCP観点からも遠隔拠点間でレプリケーションやバックアップといったニーズは高まると想定されます。遠隔バックアップの重要度はますます高まっていますし、データ量が増え続けるなかで、データ転送時間を短縮するために回線の高速化は有効です。
白柳 今はまだ「とにかく全て切り替えて10G回線を入れなければならない」という企業は少ないと思いますから、焦って導入する必要はないと思います。ただ、この先ずっと今のままでよいかというと、そうでもありません。以前から、業務で扱うファイルの大容量化は言われてきましたが、生成系AIなどの登場もあり、一般的なオフィス業務でもバックグラウンド通信が増えるなど、全体でのトラフィックは増え続けると考えています。
また、事業成長や従業員増加なども見据えると、通信の高速化自体は既定路線と言って間違いないでしょう。そのため、たとえばスイッチやルーター、ハブを買い替えるときに10G対応の機種にするなど、徐々に将来に向けて準備を進めることをお勧めします。もちろん、現状ですでに「オフィスでWeb会議に参加すると不安定」などの困りごとがあるようであれば、それを解消するのが先決です。
「10G回線」を目的にするのではなく、コムネットシステムではどこが問題なのかを見極めたうえで、全体のバランスやコスト面も踏まえたうえで、本当に10G回線が必要なのか、もしくは他の対応で事足りるのか判断させていただきます。まずは1度相談いただければと思います。
次回は、実際に社内で10G環境を構築した際のレポートを取り上げる予定です。興味のある方はぜひ楽しみにお待ちください。
▼ 10G構築レポートはこちらからお読みいただけます
10G回線そのものが意味ないわけではありません。ただし、一般的なWeb閲覧やOfficeファイルのやり取りが中心の場合、体感速度は大きく変わらないケースがあります。10G回線を活かすには、回線だけでなく、ルーター・スイッチ・LANケーブル・PC側の対応状況も確認することが重要です。
10G回線を契約していても、使用している機器のどこかが1Gbpsまでしか対応していない場合、通信速度はそこで制限されます。例えば、
などが1G対応のままだと、10G回線本来の速度を活かせない可能性があります。
1G対応ルーターでもインターネット接続自体は可能な場合がありますが、10G回線の速度を十分に活かすことはできません。10G回線を導入する場合は、ルーターやスイッチなど、社内ネットワーク機器も10G対応か確認する必要があります。
PCで10G回線を活かすには、10Gbps対応のLANポートやLANアダプタが必要です。また、ネットワークインターフェースだけでなく、PC本体の処理性能やメモリ、OSなども実際の速度に影響する場合があります。
10G回線を安定して利用するには、基本的にはCat6A以上のLANケーブルが推奨されます。Cat5eやCat6でも条件によっては通信できる場合がありますが、配線距離や環境によって速度が安定しない可能性があります。
一般的なWeb閲覧やメール、Officeファイルのやり取りが中心であれば、すぐに10G回線が必要とは限りません。一方で、動画データの転送、Web会議の多用、サーバ間通信、遠隔バックアップなど、大容量データを扱う業務が多い場合は、10G回線や10G対応ネットワークの検討価値があります。
10G回線を導入しても、社内ネットワーク側が対応していなければ、 本来の性能を活かしきれないケースがあります。
コムネットシステムでは、 「本当に10G化が必要なのか?」という整理から、 現在のネットワーク環境に合わせてご相談いただけます。
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