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2025.11.20 / お知らせ

実運用に根ざした性能とクラウド統合を強化した新Fireboxシリーズが、中堅・中小企業の継続的な防御体制を支える

市場が急速に変化し、企業ネットワークに求められる性能と信頼性はこれまで以上に高まっています。AIによる脅威の高度化、通信の高速化と暗号化処理の前提化、そしてクラウド利用の拡大により、セキュリティアプライアンスは数値上のスペックではなく、実運用で“使い切れる性能”が問われる時代へと移行しました。こうした背景を踏まえ、WatchGuardはFireboxの新シリーズを発表しました。ここでは、WatchGuard Technologies エンジニア・ネットワークセキュリティープロダクトマネージャーのMatthew Terry氏へのインタビューを通じ、開発思想と強化ポイント、そして企業の成長と運用現場に寄り添う設計思想を紐解いていきます。

WatchGuard Technologies Matthew Terry
今回お話を伺った方

WatchGuard Technologies, Inc.
Senior Product Manager
Matthew Terry 氏

進化の必然性と“長く使える基盤”の追求

企業ネットワークを取り巻く環境は、急速に変化しています。AIを活用した攻撃が巧妙化し、クラウドサービスやリモート接続が日常の業務プロセスに組み込まれました。いま求められているのは、従来の「性能競争」ではなく、現場の業務を止めずに安全を維持し続ける実践的なセキュリティです。
こうした潮流の中で、WatchGuardはFireboxの新Tシリーズと新Mシリーズをリリースしました。単に高性能化を追うのではなく、拠点の形態や成長フェーズに応じて無理なくセキュリティ基盤を進化させられるという思想を明確にしています。中堅企業や分散拠点を持つ組織でも、将来の拡張を見据えた最適な選択ができる構成です。

「市場では他のベンダーが新しいモデルを投入する中で、価格に対するパフォーマンスの見劣りを感じる場面が出てきていました。そのため新シリーズではとくに、コストパフォーマンスを大きく向上させることを重視しました」(Matthew Terry氏)

FireboxTSeries MSeries

今回のリニューアルが示すのは、“長く使える基盤”としての価値を磨く姿勢です。単なる性能アップではなく、信頼性や持続性、そして将来の運用を支える設計に重きを置くことで、企業の変化に寄り添い続けるセキュリティを実現しています。変化の激しい時代だからこそ、WatchGuardは“守り続けられる強さ”を軸に、新たな世代のFireboxを提示しました。

実効性能とクラウド運用が支える現場力

今回のFirebox刷新においてWatchGuardが重視したのは、数値上の性能や価格比較だけではありません。多層防御や暗号化通信が前提となるいま、求められるのは、現場の業務を止めずに安全を維持できる“使い切れる性能”です。条件の良いベンチマークではなく、実際の運用負荷に耐え抜けるかどうか──その視点でアーキテクチャが見直されました。
WatchGuardでは、性能測定を理想環境ではなく、実際の利用シナリオに近い状態で行っています。複数の脅威対策サービスを有効化したままスループットを測定し、暗号処理や検知処理を含めたうえで最適化を進めるという手法です。

「WatchGuardでは、実際の使用状況に近い条件でパフォーマンス測定を行っています。セキュリティサービスを有効にした状態を前提に最適化することで、現場での実効性能を高めています」(Matthew Terry氏)

また今回の刷新では、単体性能の向上だけでなく、クラウドを前提とした運用性の強化も重要なテーマとなっています。WatchGuard Cloudと連携することで、脅威分析、ログ管理、ポリシー統制などをクラウド側で集約し、拠点のFireboxは高速処理に専念します。エッジ+クラウドの役割分担が進むことで、多拠点環境でも運用負荷を抑えつつ、高い防御レベルを一貫して維持できる仕組みです。
さらに製品設計においては長期運用を前提とした信頼性と持続性も徹底されています。堅牢な筐体や部材選定、アップデートを通じた継続的な最適化により、導入後の“守り続けるコスト”を抑える思想です。目先のスコアではなく、長く企業を支える実務性能に価値を置く姿勢が貫かれています。

また、サステナビリティ(持続可能性)への配慮も新シリーズの特徴の一つです。梱包材においてはリサイクル可能な素材や簡素化された構成を採用し、廃棄物の発生を抑える設計思想が反映されています。さらに、Mシリーズでは電源ケーブルをあえて同梱せず、用途に応じた地域別ケーブルを別売りとすることで、実際に不要なケーブルの廃棄を削減しています。性能だけでなく、“長く使い続けられる運用”と“環境負荷の低減”を両立する姿勢が貫かれています。

新Tシリーズ:小規模拠点に“企業レベル”の防御力を

企業ネットワークの境界がオフィスの外へ広がり、店舗・医療施設・小規模事業所など、日常のビジネス現場そのものがネットワーク拠点となる時代。そこにも、かつては本社レベルでしか考えられなかったセキュリティが求められるようになりました。Fireboxの新Tシリーズは、そうした現場に“本格的な防御力をコンパクトに”提供するラインアップです。
新Tシリーズは、T185、T145、T125、T115-Wの4モデルがラインナップ。用途や規模に応じて選択できます。一部モデルを除き2.5GbEポートを標準搭載し、上位モデルではSFP+による高速接続にも対応。筐体も従来のプラスチックから堅牢な金属筐体へ刷新され、限られたスペースでの安定運用や長期利用に配慮しています。

FireboxTSeries

ターゲットは、小売店舗や専門クリニックなど、IT専任者が常駐しない拠点を含む幅広い環境です。多忙な現場でも設定が複雑になりすぎず、必要なセキュリティレベルを日常的に維持できるよう設計されています。

「新Tシリーズは、SMBや拠点向けに、本格的なセキュリティを提供することを重視して設計しています。コストを抑えつつ、2.5GbEやSFP+などのハイパフォーマンス機能を搭載し、より実用的で運用しやすいモデルになっています」(Matthew Terry氏)

単にスモールモデルを用意したのではなく、“必要な場所に必要な防御”を過不足なく届けるという思想が新Tシリーズの本質です。WatchGuard Cloudと統合することで、各拠点の管理を一元化し、複数店舗でも統一したポリシーと運用効率を確保できます。
コンパクトでありながら企業レベルの防御力を備え、将来のネットワーク要件にも対応する柔軟性。新Tシリーズは、現場オペレーションとセキュリティの両立を支える、小規模拠点時代の新しいスタンダードです。

新Mシリーズ:中堅企業の“中枢”を支える進化した基盤

クラウド利用や拠点間連携が拡大し、企業ネットワークの中心にはかつてない負荷と複雑性が生まれています。特に本社やデータハブ拠点では、リモートアクセスと拠点間VPNが日常業務を支える基盤となり、セキュリティは“止められない機能”として求められるようになりました。Fireboxの新Mシリーズは、その中枢を支えるアプライアンスとして大きく進化しています。

ラインアップはM295、M395、M495、M595、M695の5モデルで、前世代比で2~5倍の実効性能を実現しました。なかでもVPN処理能力の強化は顕著で、暗号化通信が標準となった現在の業務環境で、安定した通信と高いセキュリティ水準を両立できます。CPUアーキテクチャの見直しや処理負荷の最適化により、大規模なトラフィックと多層防御を同時に成立させる設計です。
インターフェース面では、1GbE/2.5GbE/10GbEを標準搭載し、SFP/SFP+にも対応。従来ではオプションだった高速接続を前提とすることで、拡張時や構成変更時の追加コストを抑えつつ、将来のネットワーク需要に柔軟に備えられる構成となっています。

FireboxTSeries

「新Mシリーズは、中堅企業や複数拠点を持つお客様に向け、パフォーマンスと接続性を大幅に引き上げています。特にVPN性能やSFP/SFP+対応を強化し、将来のネットワーク需要にも耐える設計にしました」(Matthew Terry氏)

また冗長電源に対応することで、障害時でも業務を止めない堅牢性を備えています。セキュリティが事業継続の根幹となる中で、高い可用性と長期運用を支える構造です。
さらにWatchGuard Cloudとの統合により、ログの可視化、脅威分析、ポリシー適用などを一元管理。XDRやAI分析と組み合わせることで、複数拠点を抱える企業でも高度な防御と運用効率を両立できます。単体のハードウェア性能だけではなく、クラウドと連携したセキュリティ運用に進化している点が特徴です。

企業の成長とともに歩むセキュリティ基盤として

日本の中堅中小企業では、DXやクラウド活用が加速する一方で、専任の情シスが不在、または少数体制というケースが依然多く見られます。限られた体制で高度化する脅威に備えるには、単なるスペック競争ではなく、長期にわたり現場で使い続けられるパフォーマンスが重要です。

今回のFirebox刷新は、その現実に応えるものです。新Tシリーズで現場の小規模拠点を、新Mシリーズで中枢ネットワークをカバーし、WatchGuard Cloudによる統合管理で運用を最適化することで、組織の成長に合わせた段階的なセキュリティ強化が可能になります。性能と管理性、そしてコスト効率のバランスを見直した点は、運用負荷を抱える企業にとって大きな安心材料です。
またWatchGuardが従来から重視してきた“アップグレード文化”も変わりません。既存資産を生かしながらパフォーマンスを引き上げられるアプローチは、初期投資だけでなく運用・継続コストの最適化という観点でも価値があります。

WatchGuard Cloud

コムネットシステムは、これまで数多くの企業のセキュリティ運用に伴走してきました。機器販売や構築支援による導入支援に加え、継続的な運用フォローまで一貫してサポートする体制を整えています。その姿勢は、ネットワークサービス「MALUTO」でも同様です。オンプレミス型での導入支援に加え、サブスクリプション形式での利用や、運用管理を含めた継続支援まで、企業の状況や成長段階に応じた柔軟な提供が可能です。

今回のFirebox新シリーズは、長期運用の安心と拡張性、そして高いコストパフォーマンスを兼ね備えているため、個別導入はもちろん、MALUTOのセキュリティ基盤としても適した選択肢です。企業の環境や体制に合わせて、「所有して運用する」も「サービスとして利用する」も選べる点は、これからのセキュリティ体制づくりにおいて大きな価値を持ちます。
企業の成長とともに段階的に強化できる柔軟性、そして“長く安心して使える価値”。それこそが今回のFirebox刷新の意義であり、これからのセキュリティ運用に求められる視点です。

新T SeriesやMSeries、WatchGuard Cloud、Unified Security Platform、XDRといったセキュリティ強化にご興味のあるお客様はぜひお問い合わせください。長年にわたりWatchGuard社より高い評価をいただいているパートナーとして、当社だからこそ実現できる最適なご提案があります。
これまでの受賞歴はこちらから確認いただけます。

今回ご紹介した製品・サービス

今回ご紹介した製品・サービスの詳細は、下記からご覧ください。

【 WatchGuard Firebox Tシリーズ 】

【 WatchGuard Firebox Mシリーズ 】

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WatchGuard Technologies .inc

WatchGuard Technologies, Inc.は、ネットワークセキュリティ、エンドポイントセキュリティ、セキュアWi-Fi、多要素認証、ネットワークインテリジェンスを提供するグローバルリーダとして、全世界で約18,000社の販売パートナーおよびサービスプロバイダを通じて、250,000社以上の企業に信頼性の高いセキュリティ製品/サービスを提供しています。

コーポレートサイト:https://www.watchguard.co.jp/

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