導入事例Customer Success

大阪府八尾市の医療法人清心会 八尾こころのホスピタルは、精神科、神経内科、心療内科の病院です。病院でありながらクリニックのように受診しやすい外来体制と、 専門医療のできる入院体制を兼ね備え、地域の患者様が安心して受診できる医療機関として、地域の精神科かかりつけ医の役割を担っています。

「アクセスも良く、都市型の病院として地域外の患者様にも多数ご利用いただくようになりました」と話すのは、八尾こころのホスピタル 事務局長の森野 健太郎氏です。
八尾こころのホスピタルでは2011年に電子カルテシステムを導入しましたが、それにともない医療ネットワークやWi-Fiなどの整備を行った際に、構築・運用をコムネットシステムに依頼しました。 それ以来コムネットシステムではネットワークやセキュリティ、端末の調達など、さまざまな面で八尾こころのホスピタルの支援を続けています。

今回の支援はセキュリティ強化です。
「ランサムウェアやEmotetなどへの対策が十分にできていなかったことが課題でした。 またオンライン資格確認の導入やセキュリティガイドラインへの対応などもあり、セキュリティの強化についてコムネットシステムに相談しました」と森野氏は振り返ります。

コムネットシステムがまず提案したのはランサムウェアやEmotetなどへの対策です。
「とくにランサムウェアの被害にあってしまうと、電子カルテなど院内システムが使用できず、診療の継続が困難となり、患者様や関係機関へ多大なご迷惑をおかけしてしまうことになります」と森野氏。 こうしたご要望に対してコムネットシステムは、URLフィルタリングや侵入防止からアプリケーション制御、ランサムウェア対策まで、多様なセキュリティ機能を提供するUTMを提案しました。

八尾こころのホスピタルでは、これまでもコムネットシステムの提案によりUTMを導入していましたが、それを最新機種に更新するとともに、これにあわせてUTMのセキュリティ機能を上位のプランへ変更しました。 この上位プランでは、ファイアウォールやVPN、不正侵入検知・防御、Webフィルタリング、迷惑メール対策、アンチウィルスなどといった基本的な機能に加え、標的型攻撃対策や情報漏洩対策、ランサムウェア対策などの脅威分析・対応機能が利用できます。

クラウド上の脅威インテリジェンスを使用してネットワークとエンドポイントからのセキュリティイベント情報を相関分析し、 マルウェア攻撃の検知、それらの優先順位付け、そして、攻撃を停止するための措置を即座に行います。
これによりネットワークの出入口からエンドポイントまで、セキュリティを大幅に強化することで、厚労省のガイドラインなどにも対応していきます。

こうした対策に加え、令和5年度から医療機関に義務化される予定の「オンライン資格確認」についても、効率的で安全なネットワーク構成を提案しています。
そしてUTMを含め、ネットワークやセキュリティ全般の運用・保守に関わる手間を軽減するために、運用・保守支援サービスの「CS Doctor」もご提案しました。CS Doctorは、 お客様のICT環境のトータルサポートサービスとして、環境の設計から導入、その後の運用まで、コムネットシステムが手厚い支援で対応します。

八尾こころのホスピタルではこれら提案を採用し、コムネットシステムが導入を実施しました。 「コムネットシステムにお任せしていますので、病院側で特別苦労した点はありませんでした」と森野氏。

導入は2022年10月までに実施され、まだ導入からそれほど経過していないものの、UTMは安定して稼働しています。各セキュリティ機能については、利用がスタートしていますが、とくに大きなアラートなどは発生していません。

「正直なところなにも問題が起こっていませんので、あまり効果の実感はありません。ただ導入後に、他の医療機関でのランサムウェア被害のニュースなどが出ていますので、更新しておいて良かったと思いました」と森野氏は言います。 またオンライン資格確認についても問題なく、すでに稼働をスタートしています。

セキュリティ強化についての提案から導入、運用を支援しているコムネットシステムに対しては、「ICTに関するさまざまな相談に乗ってもらい、いつも助かっています。医療という特殊な業界ですが、これからも提案や情報提供を期待しています」と森野氏は高く評価しています。
八尾こころのホスピタルでのネットワークセキュリティ強化はいったん完了しましたが、もちろんこれからも状況や法令などに対応して拡張、強化を続けていきます。

最後に森野氏に今後の展望を伺いました。
「各ベンダーの保守用リモート接続部分が狙われるという話もよく聞きますので、そうした部分をさらに強化したいと考えていますし、コムネットシステムのアドバイスも期待しています。病院としましては、Wi-Fiのエリア拡充や院内PHSのスマートフォン化などを検討していきたいと思います」と森野氏は今後の展望を語りました。